インターネット販売は、リアル店舗より総合的には、利用者にとってもメリットが多い。
特に、営業時間に制限がなく、夜間でも早朝でも欲しい商品をいつでも探せる、購入できる、そして玄関まで商品が届けられるという点です。もちろんリアル店舗のようにその場で商品を直接手にすることは出来ませんし、すぐに使用出来ない、思っていたものより実際の商品が違っていた。・・・などデメリットの部分も同時にリスクとして負う事になります。 このような背景から、休日にリアル店舗で欲しい商品を実際に確認しておき、自宅に帰ってからネットで同品を購入する。ということも良く耳にするようになりました。これは、ネットでは確認できない商品のディテールをリアル店舗で確認し、商品を理解したうえでネットで購入するということになります。それでは何故、あえてネットで購入するかですが、ネットでは商品の展示スペース、係員、冷暖房その他サービスの経費が軽減できる分、商品の価格が安い、そして割引イベントやポイントなど付加価値もリアルタイムでGETすることが出来るからです。例えばリアル店舗で何らかのキャンペーンを行っていても、他の用事がありそのタイムサービスやキャンペーン期間に訪問することができない場合があります。しかしネットでは、今キャンペーンを行っている店舗、タイムセールを行っている店舗、安い店舗をその場にいながらにしてサーチできる点です。時間や移動リスクを負わずに更に良い条件で商品を購入することが出来る点に加え、重い商品、雨天での外出などのリスクも回避することが出来ます。 以上のことから今後のECについて考えてみると、ネットで購入したときの送料を考えても、リアル店舗に移動する経費や時間のロスから見れば安い。空いている時間に、その場所に居て多くの店舗から条件の良い物を選択できる。玄関まで届けてもらえる。良心的な店舗を見抜くことにより、商品の返品・交換も出来る。など多くのメリットがあります。従って、世界中の大手企業が不況により多大のダメージを受けているほど、ネット販売業者にはダメージが出ていないというのもうなずけることです。 さらに、EC業界の今後の展望として、リアル店舗で商品を確認する以上に、商品のイメージ・詳細がしっかり確認できること、リアル店舗で探しにくい商品を販売すること、手に取って確認出来ないのであれば、良質の商品を販売すること、などをしっかり整えた店舗は、更に将来的に社会ニーズに添った企業として信頼と、成長が望めるものと思います。 しかし、ECの今後の成長については業界として注意しておかなければならないことがあります。それは、日本経済が安定して成長できるための企業でなければならないと言うことです。オークションなどは市場の価格を混乱させ、特に電化製品などはかなりの薄利で販売されており、そのことが原因で大手量販店での販売価格を必要以上に低下させ、それが製造メーカーの利益ダウンにまで影響してしまう。ということは経済自体を悪くさせる原因となっていることです。経済自体が悪くなるといくらECといえども、一般ユーザーの購買力低下となるため最終的には、回りまわってEC業界の低迷へと帰ってきます。 ビジネスとして仕入れコスト、流動コストと販売価格、利益という当り前の方程式すら理解していない経営者などが、目先の売上金額と単純に仕入れ価格だけで価格競争をしていることが、結果的には経済のバランスを乱しているのです。 適正価格を維持し、商品力、サービス、販売技術の成長により拡大を行うことが、より健全にEC業界が成長することにつながると考えています。 実際には、そのような大切なことを整備できないポータルサイト、店舗運営者が多くを占めているという点には、今後のEC業界の低迷の原因にならなければ良いがと懸念します。 その他では、ポータルサイトの利益形態に疑問がのこります。上記のようなECの今後の展望には店舗運営者の問題も多いのですが、サイト主催者側の問題もあります。比較的ECでの出店にはコストも手間も少ない分、多くの出店者が参入できます。出店者が多くなればなるほど、サイト主催者の利益も拡大します。そして、店舗数が多くなればなるほどサイト全体での売上はアップするものの、1店舗あたりの売上は低下していきます。これに対してマビキ的な要素が、サイト側から提案される広告です。資金力のある店舗は、この広告を購入して他の店舗より露出度を格段にアップして売上を伸ばします。反対にその分、資金力のない店舗は売上が低迷します。それを防ぐために広告を購入しなければ、売上が上がらないという方程式がでてきます。誰かが広告を出すと誰かが低迷し、低迷するので広告を出して防ぐとまた誰かが低迷します。この繰り返しにより、サイト運営者は、広告での収入をどんどん増加させていきます。結局は誰もが広告をしなくてもサイト全体では売上は同じですから、サイト内の店舗が足を引っ張り合うためにサイト運営側に多額の広告費を出す。という方程式です。 ビジネス的に考えると広告は、販売促進の重要な仕事として成立していますが、同じサイト内での店舗間の広告合戦は、ただサイト側が利益を吸収するだけのものとなります。正常な方法としては、全店から出店費用を取っているのですから、その費用でサイト全体の広告を行い、サイト全体への集客を強化するのがサイト側の仕事であり、サイト内の各店舗はどのような広告活動をするかや、各店舗がどこへ広告費を支払って広告をするかは店舗側の努力によるものと考えます。それをサポートする立場がサイトであれば問題のないことで、サイト側が各店舗に広告をしつこく要請する体制は、結果的には各店舗からの収益の吸い上げとなるだけで、店舗の体力は低下し、出店者がそのサイトを利用することによるメリットが低下し、最終的にはサイト全体の低迷につながります。サイト側が出店者にしつこく広告の購入を迫ったり、あなたの店舗だけ優遇して良い広告を取ってきました。・・・・なんて手法は、過去にも最近では電話の通話代の割引でマイラインなど、どこと契約してもお客様は同じなのに、付加価値をつけて電話会社同志がお客の奪い合いをしたり、コピー機などのOA販売合戦などにかかってきていたTELトークと似ていますが、こんなことばかりに力を入れていると結果は見えてくるのに・・・と思います。
いずれにしても、サイト管理側がサイト自体の広告のために努力するのは、開催者として当り前のことですが、サイト内の店舗同士を競争させるために、多額の広告費を取るという点においては、あまりにも不条理なこととに気付いていないことです。もしそれを気付いていてやっているのなら、出店費や販売ロイヤルティーをすでに取っているわけですから、ただ出店者の売上を吸い上げる(しのぎ代のようなもの)ための悪質な手法としか思えません。またサイトに広告をだすための事務手数料とは思えない多額の金額からみても、サイト側が自ら立案した広告にもかかわらずその広告の成果については全く保証のないものも、いかに利益吸収ためだけの手法であることが伺える。 このようなことも大局的みれば、EC業界の健全な成長を妨げる原因になると予測されます。リアル店舗では、資金力をもった大手デパートや大手スーパーが、商店街などの小売店を破滅に追いやりましたが、EC業界でも大手のポータルサイトでの出店が困難になってくると、自社運営のECサイトが拡大して行き、その中でも資金力を持っている大手EC店舗への一極集中的な状況が形成され、リアル店舗と同様な流れが将来的に起こることでしょう。 |